フットボールチャンネル
日本代表の3バックがテストにならなかった理由。攻撃の鍵は2シャドー、不発の堂安律が見せた機能性【西部の目】
日本代表は5日、キリンチャレンジカップ2019でトリニダード・トバゴ代表と対戦し、0-0で引き分けた。森保一監督就任後、初めて3バックで戦った日本代表だったが、この試合から得られたものは何だろうか。
●効果がどれぐらいあるのか
A代表では初の3-4-2-1。出来については、コンディションが全く整っていない相手に得点ゼロという結果が物語っている。もちろん、最初から何もかもうまくいくはずがない。
アルベルト・ザッケローニ監督のときはさんざん試して、最終的には諦めてしまったが、ワールドカップを勝ち抜くために対応力はカギになる。今後も試すべきだし試していくはずだ。
ただ、システムが機能するかどうかというより、機能したとしても効果がどれぐらいあるのか疑問が残ってしまった試合だった。
「3バックも4バックも原理原則は変わらない」(森保一監督)
例えば、後方からのビルドアップで相手とのズレを作り、相手の対応を見て、その逆をとっていくという手法自体はフォーメーションにかかわりなく同じである。しかし、あえて3バックをオプションに持とうとしているのは、ズレの作り方に幅を持たせたいからだ。また、3バックのほうが対戦相手との兼ね合いでズレを作りやすいという事情もあるだろう。
簡単にいえば、相手を迷わせやすい。ところが、トリニダード・トバゴは全くハイプレスを仕掛けてこなかった。そのため、3バック採用理由の1つであるはずのビルドアップ効果についてはほとんど問われずじまい。本来ならあるはずの第一関門が素通り状態だった。
そしてアタッキング・サードへボールを運んでいく第二関門もほぼノーチェック。つまり、この試合でテストできたのは最後の崩しの部分だけだった。結果は、少なくとも中島翔哉は相手の脅威になりうるという、テストした甲斐のない回答が得られただけだった。
●崩しまではフリーパス
3-4-2-1における崩しのキーマンは2シャドーだ。トップの大迫勇也に当ててシャドーへつなぐ。シャドーのキープからウイングバックのオーバーラップ、インナーラップ。ペナルティーエリアの脇への潜り込み、そしてシャドー自身のカットインなど、ハーフスペースにいるシャドーを経由することで、相手の出方の逆をついていく。
本来なら、いかにシャドーへボールを渡すかがテストの焦点になるのだが、トリニダード・トバゴの守備が薄く、堂安律と中島の2シャドーは難なくパスを受けられた。
ボールと逆サイドのシャドーには相手のサイドバックがマークしている。シャドーが少し中へ動けばサイドバックもついてくる。そこでサイドバックがタッチライン際に上がってきて幅を作る。
このとき、トリニダード・トバゴは日本のサイドバックをフリーにしていた。サイドチェンジがサイドバックに通り、シャドーが元の位置に戻るだけでフリーになれた。トリニダード・トバゴの4-3-3のウイングがあまり守備をしていなかったからだ。
「3トップを残して(日本の3バックに対して)1対1にしたかった」(デニス・ローレンス監督)
シャドーへボールを入れるまでの行程はフリーパス。サイドチェンジの3本に1本がミスになる精度の問題はあったが、それでもシャドーは簡単にボールを持てた。ところが、その利点を生かせたのは中島と長友佑都の左サイドだけだった。堂安はドリブル突破を抑えられ、酒井宏樹も1対1になったときには封じられていた。
●機能しても薄かった効果
後半の途中から新システムに慣れてきたのか、日本は終盤に3つの決定機を作っている。ただ、3-4-2-1はあまり関係ない形だった。南野拓実、伊東純也に代わった2シャドーが中島&堂安より上手くいっていたわけではなく、むしろ2人ともFWに吸収されてしまい、ボランチが攻撃をサポートした結果、ゴール前の人数が増えていただけだ。
シャドーとしては機能していなかった。堂安は「不発」だったが、シャドーとしての機能はあった。南野、伊東に関しては機能性が「わからない」状態である。
守備についても何ともいえない。ミドルゾーンのプレスには本来向いていないシステムにもかかわらず、5-2-2-1のゾーンでのミドルプレスを試みていた。
(取材・文:西部謙司)
続きはこちらで↓
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190606-00010000-footballc-socc

続きを読む